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意匠権発生までの流れ

創作した製品デザインを模倣品から守るには、意匠権が必要です。意匠権を取得するまでのフローチャートをこの下に示しました。

出願人、すなわちお客様と特許事務所が行う手続きをピンク色背景で示し、特許庁が行う手続きは水色背景で示しました。
   意匠権取得までの手続きのうち、私たちが行うものは @ 意匠登録出願,A 拒絶理由対応(拒絶対応),B 意匠登録料納付 の3場面です。

意匠権発生までのフローチャート

(1) 意匠登録出願

意匠権を取得するためには、特許庁に意匠登録出願を行う必要があります。
   新製品のデザインを意匠権を取得したいと考えているお客様が、特許事務所に意匠登録出願の依頼をします。
   すると特許事務所では、お客様の新製品のサンプルなどをお預かりして、意匠図面など意匠登録出願に必要な書類を作成します。

作成した書類に表されたデザイン図面は、意匠登録出願した後からはほとんど変更ができません。また意匠登録出願の内容は、その後の意匠権の強さにも大きく影響します。
   このため、意匠登録出願の書類作成段階では、作成する内容を慎重に検討する必要があります。

当サイトでは意匠登録出願をご希望の全国のお客様が、簡単にご依頼いただけるように、サンプルのご提出以外にも様々な資料ご提示方法に対応させて頂いております。
   また意匠登録出願の書類を作成するにあたっては、お客様のご意向を十分にお伺いします。
   加えて、高い図面力に裏打ちされた意匠図面を作成し、お客様にとって最も適切な意匠権が得られるような出願書類を作成します。

意匠登録出願段階の費用

意匠登録出願で必要になる費用は、特許庁に支払う意匠出願料(書類受付と審査の費用)と特許事務所に支払う出願書類の作成費用です。
   意匠出願料は 16,000 円です(注1)。 出願書類の作成費用は特許事務所によって異なります。
   このサイトの標準料金では 105,000 円(消費税(5%)込み)です。

注1:秘密意匠制度を利用するとオプション費用 5,100 円が加算されます。

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(2) 拒絶理由対応手続き

意匠登録出願を行うと、特許庁の審査官がその内容を審査します。
   審査官がその出願内容で問題なし!と判断した場合は登録査定をします。「査定」とは審査官の最終判断といった意味です。
   一方、審査官が出願内容に疑問を持った場合は、拒絶理由通知を発します。

拒絶理由通知を受けた出願人は、意匠登録を得るために、通知された拒絶理由に対応しなければなりません。 拒絶理由通知を受ける原因は様々ですが、多くのケースで見られるのは次の4つです。

  1. 書類の記載に不備がある
  2. 図面に整合性がない(不要な線が描き込まれている,図面同士が一致しない など)
  3. 同一または類似した意匠が既に世の中に存在している
  4. 既に世の中に存在している意匠から簡単に思いつける

拒絶理由通知への対応としては、主なものとして次の手段が挙げられます。

拒絶理由の1,2の場合は、手続補正書を使って、書類の不備を訂正するのが通常の対応手段です。 ただし、図面に整合性がないケースでは、図面を訂正しようとすると、その訂正が「意匠の要旨変更」とされ、訂正が認められずに八方塞がりになることも多いので注意が必要です。

拒絶理由の3,4の場合は、通常、意見書で審査官の判断に反論していくことになります。
   審査官との話し合いは、意見書だけではこちらの思いが伝わらないかもしれないと思われるときに、審査官に追加で説明するために、補助的に行います。

当サイトではそもそも拒絶理由通知を受けないような質の高い意匠登録出願を出願段階で用意します。 万が一、上記1,2のような記載不備に基づく拒絶理由を受けた場合には、当サイトで対応費用を負担します(図面保証制度)。

拒絶理由対応段階の費用

拒絶理由の対応では、特許庁への支払いは不要です。特許事務所に対しては、拒絶理由の対応費用がかかります。対応費用の金額は特許事務所によってまちまちですが、拒絶理由の内容いかんによっても異ってきます。

このサイトでは、上記1,2のような拒絶理由ではお客様の費用がかからないことはさきほど述べたとおりです。
   一方、上記3,4の理由で拒絶理由を受けたケースでは、登録査定を出してもらうために詳細な検討が必要です。 検討の結果、4ページの意見書を作成し、特許庁に提出したとして計算すると 85,050 円(消費税(5%)込み)になります。

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(3) 意匠登録料の納付

審査官が意匠登録出願した内容をOKと判断したときには登録査定を行います。
   ここまでくればあと少しで意匠権発生です。
   出願人は登録査定を受け取った日から30日以内に、最低1年分の意匠登録料(維持年金)を特許庁に納付します。 納付が完了すると、特許庁は意匠原簿に意匠権を設定する登録をします(意匠登録)。
   意匠登録されると、意匠法意匠法20条1項の規定によって意匠権が発生します。

意匠登録料納付段階の費用

意匠登録出願で必要になる費用は、上述の特許庁に支払う意匠登録料特許事務所に支払う成功報酬納付手数料です。 この他に、特許事務所によっては管理手数料がかかる場合もあります。
   成功報酬は、首尾よく登録査定を得られたことに対する報酬です。 納付手数料は、意匠登録料を納付する手数料です。 管理手数料は、意匠権が誤って消滅しないように、意匠登録料の納付を毎年管理するための手数料です。

意匠登録料(維持年金)は第1年目から第3年目までは毎年 8,500 円です。
   成功報酬は特許事務所によってかなり異なります。 一方、納付手数料のほうはどこの事務所でも 12,000 円前後です。 管理手数料は毎年 5,000〜10,000 円程度です。

当サイトでは成功報酬が 73,500 円(消費税(5%)込み)(注2),納付手数料が 12,600 円(消費税(5%)込み)です。管理手数料は頂いておりません。

なお、意匠登録料は複数年分をまとめて納付することもできます。
   登録査定を受けた最初の登録料納付の際に、もし最低限の第1年目分だけを納付するとなると、特許庁に 8,500 円納付するために、特許事務所には 12,000 円程度の支払いが必要ということなりますね。 当サイトでは、これは非常にバランスが悪いと考えます。
   そこで登録査定を受けた最初の登録料納付の際には、第1〜3年目の3年分( 25,500 円)をまとめて納付することをオススメしています。
   最低限の第1年分の納付しか案内していない事務所では、その後の毎年の納付手数料で稼ごうとしているか、意匠登録までに必要な合計金額を安く見せかけようとしているのかもしれないので、ご注意ください。

注2:今ならキャンペーン利用で成功報酬が 36,750 円(消費税(5%)込み)になります。

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意匠権発生後の流れ

意匠権が発生すると、その証として意匠登録証が交付されてきます。 それまで「出願人」と呼ばれていたのが、意匠権を取得することで「意匠権者」と呼ばれます。
   また意匠登録から約1ヶ月後には意匠公報が発行され、意匠権の内容が一般に知られることになります。(注3)

意匠権の満了期間は、意匠登録の日から20年(注4)です。しかし、毎年の意匠登録料をその前年までに納付しておかなければ、意匠権は消滅します。(注5)

特許庁は意匠登録料の納付期限が近づいてきたお知らせなどは行いません。特許事務所を使って手続きされた場合は、その特許事務所が納付期限の管理を行います。
   ご自分で手続きされたような場合は、納付期限の管理はご自身で行なうしかないので、特に注意が必要です。

意匠権発生後の費用

特許庁に支払う意匠登録料(維持年金)は第3年目までが上述の通り毎年 8,500 円、第4年から第20年までは 毎年 16,900 円 です。特許事務所に支払う納付手数料管理手数料は、さきほど述べたとおりです。

注3:秘密意匠制度を利用すると、意匠公報には書誌事項だけ掲載され、意匠(デザイン)は公開されません。

注4:特許権の存続期間は「出願の日」から20年なので、実は意匠権のほうが少しだけ存続期間が長いのです。

注5:万が一、期間内に納付し忘れた場合は、それから6ヶ月間に限り「追納」によって意匠権が回復します。ただし登録料は、倍額の納付になります(意匠権44条)。

拒絶査定を受けた後の手続き 〜 拒絶査定不服審判の請求

残念ながら審査官から拒絶査定を受けた場合、そのまま何もしなければ、意匠登録出願の拒絶査定が確定し、意匠権が発生することなく終わってしまいます。

拒絶査定した審査官の判断に納得がいかない場合、審査官の拒絶査定を不服とする拒絶査定不服審判の請求をすることができます。(注6) 拒絶査定不服審判は、拒絶査定の日から3ヶ月以内に請求します。
   しかし、審判請求にはかなりの費用が発生しますし、審判を請求したからといって、拒絶の判断が必ず覆るというものでもありません。
   このため、審判請求にあたっては、出願した意匠の製品がどの程度の利益を上げるかの経済面からの検討と、どの程度の確率で判断が覆るかの法律的の検討を十分してから行うべきでしょう。

注6:拒絶査定不服審判でも拒絶の判断が覆らなかった場合、拒絶をした審判の判断(審決)にも納得できないときには、最終的に裁判に訴え出るという道が残されています。

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   また本サイトの意匠登録 -HOME-には、意匠登録出願における当事務所の特徴なども掲載しておりますので、併せてお目通しいただければ幸いです。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。

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